文章は短く書く。これに尽きます。
短くすることで、力強く、読みやすい文章になります。
また、誤字脱字や接続詞の誤りなどのミスも減り、いいことだらけです。
私は、文書を短くするために3つのことを意識します。
1、すぐに「。」を打つ。
「、」でつなぐような文章は書かないようにします。
2、1文に1つの意味しか与えない。
1文内で書くことは1つのことで十分です。それ以上書く必要はありません。
3、1文は長くても60文字以内と制限をかける。
1分は長くても60文字以内に納まるように努めます。それ以上長くなると、読みづらくなるからです。
用紙いっぱいに文章が書かれていると、見ただけで読む気が失せてしまいます。
せっかく書いた文章も、読まれなければ意味がありません。
そんなとき、大切になるのは余白です。
余白を多く取ることで、文章は読みやすくなるのです
私は、A4用紙であれば上下30センチ、左右25センチは余白を取りようにしています。
余白を広げたためにページが増えそうになれば、編集して文章を減らす努力をします。
文章を書く上で大切なのは、まず読んでもらうことです。
何が書かれているのかはその後の話です。
余白を大きくするだけで、読まれない文章が読まれる文章へと変わるのです。
紙媒体で使用する文字のサイズは3段階が基本です。
多くても4段階までです。
5段階以上になると、何を強調したいのか分からなくなります。
また、文字の大きさは対象者によって変えます。
年配者が多ければ、文字サイズを大きめにします。
読者に応じて、文字サイズを変えるのも大切な配慮です。
参考に私が使うサイズをご紹介します。 (wordの場合の数値)
大見出し・・・24〜
小見出し・・・・・・16〜18
本
文・・・・・・・・11~12
文章は、白紙に黒文字が一番読みやすいです。
そのため、基本は黒文字で文章を書くようにします。
そのほかの強調したい部分は、赤や青などの他色を使います。
また、注意点としては文章に使用する色は3色までにすることです。
4色使用すると、ごちゃごちゃしてしまい、かえって読みづらくなります。
5色以上になると、目がチカチカしてきます。
色は3色まで。これを基本に文章を書くようにしてください。
改行がない文章は圧迫感を感じます。
当然「読みやすそう」とは思ってもらえません。
7行以内に改行すると、文章は読みやすくなります。
長くても9行以内に改行しておきます。
改行とは、話の区切りです。
7行以内で一区切りできないものは、余計な文を書いている可能性があります。
できるだけ7行で区切れる文章を書きましょう。
改行があるだけで、文章は読みやすくなるのです。
文字だらけの資料だと、読む気になりません。
ページを開いただけで、読む気が失せてしまいます。
「読みにくそう」と直感的に思われたものは読まれません。
そうならないためにも、写真やイラストを使うようにします。
写真やイラストなどが1枚入るだけで、ずいぶんと読みやすくなるのです。
私は仕事柄、多くのセールスレターを添削します。
「反応が取れないのですが」と相談されるセールスレターの多くは、文字ばかりで、写真やイラストがほとんどありません。それも数枚に渡ります。
何が書かれているか以前に、お客様に読まれていません。
そのため、反応が取れないのです。
写真、イラスト、漫画、図、グラフを使用するだけで反応率は改善します。
何をどう書くかの前に、読まれることが重要です。
読まれるためには、文字以外で引き付ける必要があるのです。
見出しのない販促物は、まず読まれません。
企画書でも、社内資料でも同じことです。
見出しがないものは、読む気にならないからです。
見出しがなくても、書かれていることは同じです。
しかし、見出しや小見出しがあることで、文章はずっと読みやすくなります。 また、うまい見出しであれば興味を誘います。
結果、精読率に大きな影響を与えるのです。
見出しには書き手の熱意が表れます。
見出しを付けない人は、読ませる気がありません。
読ませたいと真剣に考える人は、どう見出しを書こうか、どう見出しを目立たせるようかと、何時間も考えます。
見出しの出し方を見れば、どれだけ熱意を込めて書いたのかが分かるのです。
作家、瀬戸内寂聴さんはこう言っています。
「文章というのは、むずしいことを知っていても、やさしい言葉で相手にわかるように書かなければいけないんです」
これは、どんな文章にも通じます。
まず気をつけることは、専門用語と漢字です。
業界の専門用語を、お客様も知っているとは限りません。
お客様に宛てた文章の中に、1単語でも分からない言葉が出てくれば、その時点で読まれなくなります。
たとえ最後まで読んだとしても、「分かった」という気持ちにはなりません。
書き手は、お客様に分からない専門用語はできるだけ使わないようにします。
続いて漢字です。
漢字の配慮もしなくてはいけません。
専門用語と同じように、読めない漢字が出てきた時点で理解できなくなります。
また、漢字ばかり続く文章も、難しそうに感じてしまい読まれません。
小学5年生でも読める漢字で文章を書くようにします。
こうした小さな配慮が、読みやすい文章を書く上で大切になるのです。
文章には、肯定文と否定文の書き方があります。
同じ意味でも、「〜してください」「〜してはいけません」では受ける印象が違います。
たとえば、今回のタイトル「肯定分を使う」は「否定文を使わない」と、書くことも可能です。
私は、肯定文、否定文のどちらでもいい場合は、肯定文で書くようにします。
肯定的に書かれているほうが、読んでいて気分がいいからです。
肯定文を使う理由は、それだけではありません。
何をすれば良いのかを、的確に伝えられるからです。
たとえば、「〜をしてはいけない」と書かれていれば、してはいけないことは分かりますが、して良いことが分かりません。
「〜をしてください」は、何をしたら良いのかが分かります。
肯定文だと、少ない説明で書き手の意図が伝えられます。
必ずしも、すべてを肯定文にする必要はありません。
あえて否定文にしなくてはいけない場面もあります。
どちらでも構わないときは、肯定文で書くほうが、読者への印象が良く、文章もより伝わります。
強調したい文章は、太文字にしたり、赤色にしたりします。
それ以外に、四角で囲む方法があります。
強調したい文章が数行にわたる場合に便利です。
四角で囲むことで、自然と目立つようになり、読者にも、強調部分なのだと伝えられます。
また、見出し部分にも使うことができます。
小ネタですが、使える技です。
説得力のない上司は、話が長いです。
話の時間が長くなるほど、誰も聞かなくなりますし、内容を覚えていません。
いい気分になっているのは、話をしている本人だけです。
文章でも同じです。
1つの事柄を伝えるのに長々と書いていたら、伝わらなくなります。
人に1つの事柄を伝えるのに、適切な時間は1分。長くても3分が限度です。
3分間を文字数に直せば、大体800〜1200文字です。
書き手が自分の文章に酔えば酔うほど、文章は長くなります。
読者も、読んでいるようでも頭や心には残りません。
短い文章ほど、心に響きます。
このサイトの一つひとつの項目も、1分以内で読めるように書いています。
大切なことだから、伝えたいことだから、短く書いているのです。
文章を書いていて気を使うのが語尾です。
特に「です・ます」調で文章を書いていると、同じ語尾が続くことがあります。
同じ語尾が3回以上続くと、だらしなく感じます。
「です・ます」調は以下の5ほどしか、変化がつけられません。
「〜です」「〜なのです」「〜しょう」「〜ます」「〜せん」「〜ください」
「だ・である」調であれば、語尾に苦労することはありません。
色々な止め方ができます。
「〜だ」「〜なのだ」「〜である」「と言える」「〜思う」「〜だった」「体言止め」です。
ほかでも書きましたが、「だ・である」調は、「です・ます」調に比べ、書きやすい文体なのです。
語尾にまで気を配れるようになれば、文章が上達している証拠です。
細部にまで、気を使えるようになりましょう。