表現力のある文章を書くには、才能が必要です。
分かりやすい文書を書くには、技術が必要です。
技術は誰でも身に付けることができます。
「文章を書くのが苦手」と言う人は、分かりやすい文章の書き方を知らないだけです。
知ってしまえば、簡単に書けるようになります。
そして、文章を書く上で一番大切なのは「分かりやすさ」です。
表現力などは、二の次です。
どんなに表現豊かな文章でも、分かりにくければ伝わりません。
大切なことが書かれていても、分かりにくければ理解されません。
“分かりやすい文章を書く”これが文章の基本であり、最も大切なことなのです。
文章構成がしっかりしてないものは、分かりづらい文章になります。
書き始める前に、構成はあらかじめ決めておくことが大切です。
書きながら構成を考えていると、粗末な文章になってしまい、後で直すのが大変です。
文章構成は、5W1Hや起承転結など、色々な書き方がありますが、今回は、私がいつも使用している構成をお伝えします。
5段階の文章構成で、すぐ覚えられます。
それは、
1、おっ(見出し)
2、何々(概要)
3、へぇ〜(意見)
4、なるほど(証拠)
5、わかった(結論)
以上
まずは、見出しで興味を引き付けます。(「おっ」の部分)
続いて文章の概要(主旨)を伝えます。(「何々」の部分)
それから、自分の意見を述べます。(「へぇ〜」の部分)
意見がいかに正しいのかを証拠を上げて説明します。(「なるほど」の部分)
そして最後に結論です。(「分かった」の部分)
この構成は、人間の思考プロセスに合わせて作られています。
あなたも何かを買うときにも、この順番で行っているはずです。
たとえば書店で、本を買うまでの出来事を思い出してください。
POPか本のタイトルで気を引かれ、「おっ」
パラパラと内容をめくり、「何々」
中々面白そうだと思い「へぇ〜」
著者のプロフィールを確認し「なるほど」
価格を見る「わかった」
そして、レジに本を持っていくはずです。
人間は無意識に、この順番で情報処理をしているのです。
無意識に行っている情報処理の順番に沿って情報を並べることで、分かりやすい文章構成を作ることができます。
この文章構成は、私が長年文章を書いてきて作りだしたものです。
とても役立ちますので、ぜひ参考にしてください。
分かりやすい文章を書く上で、概要はとても大切です。
概要を伝えておくことで、読者はストレスなく文章を読むことができます。
たとえば、商品案内であれば、「今お悩みの○○を解決する商品のご提案です」と書きます。 読者も商品の案内だと理解できます。
しかし、概要を伝えず、「この商品の特徴は・・・」と書き始めると、その時点で読者は置いていか、理解することができません。
何が書かれているか分からないものは、読んでいてストレスです。
それでは、読者は途中で読むのを止めてしまいます。
概要を一言伝えておくことで、読者に読む準備が生まれるのです。
箇条書きは、使い方次第でとても役立ちます。
伝えたいことが3点以上ある場合や、話をまとめるときに便利です。
箇条書きの際は、伝える内容と数を明記します。
では、例を5点紹介します。
1、お伝えしたいメリットが3点あります。
2、今までの意見をまとめると、共通点は5つあります。
3、このような結論に至った理由は3つあります。
4、私どもの事業目的は3つあります。
5、注意事項が3点あります。
続いて、箇条書きでの説明文の書き方をお伝えします。
説明文の書き方は、2パターンあります。
1つ目は、1つずつ説明分を付けて箇条書きするもの。
2つ目は、すべての項目を箇条書きしてから1つずつ説明するもの。
使い分けは、文の長さが5行以上になるかどうかです。
では、例で説明します。
このように、文字の長さに応じて使い分けます。
文章は、左脳への情報伝達です。
写真や図は、右脳への情報伝達です。
左脳と右脳の両方から情報伝達することで、より伝わる文章になります。
たとえば、「戦争は酷かった。死体があちこちに横たわり、まるで地獄のようだ」と書くより、現場の写真を1枚載せるほうが伝わります。
文字では伝えられないことを写真では伝えることができます。
図も同様です。
「当社とB社との差は、まず○○と、○○が違います。そして価格の面では・・・」 と言葉で説明するより、マトリクス表で表現してくれたら一目で分かります。
何かを伝えるとき、文章だけにこだわってはいけません。
私たちビジネスマンは、作家や詩人ではありません。
文章だけですべてを表現しようとしなくていいのです。
文章は、数多くある伝達手段の一つに過ぎません。
写真、イラスト、漫画、図、グラフを活用することで、伝えるべきことを伝えることができるのです。
私はよく、たとえ話を挙げて説明します。
そのほうが、読者に分かりやすく伝わるからです。
たとえ話をすることで、具体的に説明をすることができ、
読者もイメージが湧き伝わりやすくなります。
特に実例を元に説明するのは効果的です。
実際の出来事なので、具体的に書け、説得力もあります。
私は仕事柄、色々なニュースレターを読みます。
数多く受け取るニュースレターの中には、50枚を超えるものもあります。
その送り手は、分かりやすいようにと、種類別に紙を色分けしてあるのです。
ニュースレターは白、注文用紙は赤、資料請求用紙は黄色という風に。
もし、色分けされていなければ、とても分かりづらいニュースレターになっていたでしょう。
そして、精読する割合も少なくなっていたはずです。
読者のことを意識し、色を変える。
こういう小さな工夫が、精読率に影響を与えるのです。
文章を書いている中で、重要なことを伝える場面があります。
そのとき、「ここは重要な箇所ですよ」と読者に伝える必要があります。
伝え方はカンタンです。
「重要なことは・・・」と、書けばいいのです。
または、「・・・が重要です」と、書きます。
この一言を加えるだけで、重要部分を分かりやすく伝えることができます。
※「重要」以外の言葉も、同じように使います。
例)「大切なことは・・・」「・・・が大切です」
書籍には、目次があります。
目次を読むだけで、全体の構成が分かり、読みたい個所も探しやすくなります。
目次は、書籍の歴史の中で培われた知恵なのでしょう。
当サイトも目次が付いています。
トップページから、テーマ別でリンクを貼っています。
読みたい個所から読めるようにしているわけです。
もし、テーマ別にリンクが貼られていなければ、とても分かりづらいサイトになっていたでしょう。